ミュージシャンの山下達郎氏は中学から大学にかけて、友人とアマチュアバンドを作っていました。1972年、彼が大学2年のときに『Add Some Music To Your Day』という自主制作のアルバムを作り、100枚プレスしましたが、大半を友人に無料で配布しただけで、ほどなくそのバンドは解散してしまいました。

　しかし、一部はヤマハ渋谷店などの店頭に並ぶことになったのです。そこで買い求めたのがベーシストの和田博巳さん。ロック喫茶をやっていた彼は、鳥肌もののボーカルに感動し、店でよくそのレコードをかけていていました。店でこれを聞いて驚いたのがギタリストの伊藤銀次さん。さっそく福生市在住のミュージシャン大滝詠一氏のところレコードを持っていき、山下氏と大滝氏が知り合うきっかけになりました。
　また、山下氏自身も四谷のロック喫茶ディスク・チャートの長門芳郎氏と知り合い、名刺代わりにレコードをプレゼント。やがて山下氏はディスク・チャートで毎週水曜の夜に開かれていたミッドナイト・セッションに招かれることになり、そのセッションから『SUGAR BABE』というバンドが誕生するのでした。
　このアルバムがなければ、彼のデビューも『クリスマスイブ』の曲もなかったかもしれません。現在はCD化されて通販で買うこともできますが、そのライナーノーツにこの言葉が書かれています。

「はっきりと目に見える形にしなければ、他人は自分に対して注意をはらってくれない」 by 山下達郎

　このブログでは、私たちの診療や考え方を『見える化』して、皆さんに紹介していきたいと思います。