マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、取り外し可能な透明なプラスチックのマウスピースを使用して歯を矯正する矯正装置です。

一般に矯正治療では歯に一定の圧力をかけて歯を動かします。
圧力により歯の周囲の組織が変化し、歯が動きます。
圧力がかかる場所に応じて、歯が前後左右に動いたり、上下に動いたり、回転したりし、多くの矯正装置はこの原理に基づいています。
例えばワイヤー矯正では、ブラケットと呼ばれる装置を歯に接着し、ワイヤーを使って歯に圧力をかけて歯を動かします。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)では、歯にフィットする透明なプラスティック製のマウスピースを使って、歯に圧力を加えています。
この圧力によりほんのわずかな移動が生じます。
歯の位置の変化後、1週間〜10日ごとに新しいマウスピースに変更します。
これによって歯はゆっくりと移動していきます。
各マウスピースは小刻みな動きを達成できるように設計されているため、時間の経過とともに歯並びが少しずつ理想の歯並びに向かって改善されていきます。
矯正歯科医は、一度に数十枚のマウスピース型矯正装置(インビザライン)を患者に渡すため、新しい装置が必要になるたびに歯科医院を訪れる必要はありません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)はカスタムメイドのため、歯にぴったりと密着し、痛みや違和感が少ない装置です。
見た目も自然で、食事の際には取り外せるため、通常通りの食事が可能です。
通院は6週間〜3ヶ月に1回で、その間は自宅で定期的にマウスピース型矯正装置(インビザライン)を交換します。一度の3Dスキャンで作られた数十枚のマウスピース型矯正装置(インビザライン)は、通常数ヶ月から1年以上かけて使い切りますが、期間中に治療が完了することはほとんどありません。
矯正歯科医は、再度3Dスキャンを行い、治療プランを見直し、新たに数十枚のマウスピース型矯正装置(インビザライン)を作成します。
このプロセスを治療開始から2回〜4、5回繰り返すことで、美しく機能的な歯並びに仕上げていきます。

これまでに約700件以上の治療を実施しております。

下表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 合計
年度別実績 16件 51件 67件 81件 81件 89件 84件 74件 80件 80件 703件
当院のマウスピース型矯正装置 症例実績のグラフ
当院のマウスピース型矯正装置 症例実績
合計703件

※2013年〜2022年12月31日

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は海外生産のカスタムメイド矯正装置のため未承認医療機器に該当します

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されており、世界100以上の国・地域で提供され、これまでに世界1000万人を超える患者が治療を受けています。重篤な副作用等も報告されていません。
しかしマウスピース型矯正装置(インビザライン)のような個人用のカスタムメイド(オーダーメイド)矯正装置は、日本の医薬品医療機器等法の承認を受けることができず、日本の現行法制度のもとでは個人輸入による医療機器と同様に歯科医師の裁量に基づく治療となります。
なおマウスピース型矯正装置(インビザライン)に使用されている素材(SmartTrackアライナーシート)自体はマウスピース型矯正装置(インビザライン)・ジャパン株式会社により薬事承認されており、安全に使用できます。

未承認の理由

  • ・工場で製作された矯正装置は海外生産を含め、医薬品医療機器等法の承認を受けて日本で販売されます。
    ただしマウスピース型矯正装置(インビザライン)はカスタムメイド矯正装置といって個人の患者さん向けにオーダーメイドで作られた装置のため、患者さんごとに承認を受けることは現実的でなく、現在のところ未承認医療機器に該当します。
  • ・国内の歯科技工士が製作したカスタムメイド(オーダーメイド)の矯正装置は歯科技工士法上の「矯正装置」に該当します。
    日本で製造されているマウスピース型矯正装置(インビザライン)と類似の装置は、歯科技工士法に基づく「矯正装置」として複数販売されています。

入手方法

当院は米国アライン・テクノロジー社の日本法人であるインビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。

医薬品副作用被害救済制度の対象外

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は薬機法対象外の矯正装置で、承認された医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。

当院でのマウスピース型矯正装置(インビザライン)の歴史

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は2006年に日本で販売が始まりました。当時私は札幌にいて、友人の歯科医が日本初のマウスピース型矯正装置(インビザライン)セミナーに参加していたので、その講義内容を知ることができました。 未来の矯正はこうなるに違いないとワクワクしたのを覚えています。
私は2011年に初めてマウスピース型矯正装置(インビザライン)コースを受講しました。日本には治療を指導できる矯正歯科医がいなかったため、オーストラリアから矯正歯科医が来日しセミナーを行いました。2012年に非抜歯研究会のMOOセミナーに参加し、非抜歯研究会に入会しました。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)と非抜歯研究会の非抜歯治療(MOO)のコンセプトは非常に近いので、両方の治療法を同時に学びました。
その頃から非抜歯研究会でもマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を積極的に導入するようになりました。
私は2013年からマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を始めたのですが、幸運だったのは、最初から高機能マウスピース素材「SmartTrack」を使用できたことです。

2014 年にiTero 2.9 スキャナーを購入しました。
現行の「iTeroエレメント」に比べ、口に入る先端(ワンド)が大きく、撮影時間も長かったですが、それでも従来のネバっとした材料(シリコン)で歯型取りを行うのに比べると、患者様の負担は大幅に軽減されました。

iTero 2.9の画像

マウスピース型矯正装置(インビザライン)が日本で販売開始

友人が日本初のマウスピース型矯正装置(インビザライン)セミナーに参加し、その講義内容を知りました。

初めてマウスピース型矯正装置(インビザライン)コースを受講

まだ日本での臨床事例が少なかったので、オーストラリアの矯正歯科医が講義をしました。

非抜歯研究会のMOOセミナーに参加し、非抜歯研究会に入会

マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療と非抜歯研究会の概念が近く、両方の治療を学ぶ。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を開始

高機能なマウスピース素材「SmartTrack」を使用。

iTero 2.9 スキャナーを導入

初期型の口腔内スキャナーで現行品よりも低機能でしたが、それでも患者様の負担は大幅に軽減されました。

iTeroエレメントを導入

治療の進化と多様な症例への適用拡大

初期は非抜歯の患者様の治療が中心で、軽度の叢生(デコボコ)や上顎前突、反対咬合などの治療から開始しました。
当時は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)のセミナーや勉強会に積極的に参加し、札幌、博多、大阪等へ足を運び、知識を積極的に吸収しました。
その結果、従来のワイヤー矯正治療との違いを実感することができました。
しかし、これは欠点だけではありませんでした。マウスピース型矯正装置(インビザライン)の導入により、抜歯が必要だった重度の叢生(デコボコ)や上顎前突(出っ歯の方)などの治療も、抜歯なしで簡単に行えるようになりました。

その後、徐々に症例の選択肢が広がり、重症のデコボコの患者様を抜歯治療で行なったり、従来なら外科矯正が必要な重症の開咬や上顎前突も、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療するようになりました。

非抜歯研究会での症例展示、日本臨床矯正医会での症例発表、日本アライナー矯正学会での発表も行い、多くの先生と情報を共有し、現在では700症例を超える患者様が当院でマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を開始しています。
当院では、ほぼあらゆる種類の歯並びに対応可能な、マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を提供しています。

実際の治療の様子
TOPICS

アラインテクロノジー社の創業

アラインテクノロジー社は、1997年に、スタンフォードMBAの学生であったジア・チシュティ(Zia Chishti)とケルシー・ワース(Kelsey Wirth)によって設立されました。

ジア・チシュティは、ユニコーン企業を2つ創業したことで有名です。
ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上(日本円で1,300億円以上)の企業を指します。
彼は1971年にアメリカ人の父親とパキスタン人の母親のもとに生まれ、1974年に父親が亡くなった後、彼と母親はパキスタンのラホールに戻りました。アメリカンスクールを卒業後、ビジネスの道を進む予定でしたが、母親の説得で1988年にニューヨークの名門大学コロンビア大学に進学し、コンピューターサイエンスと経済学の学士号を取得しました。
1997年にはスタンフォード大学でMBAを取得しました。

スタンフォード大学に在学中、彼はマウスピース型矯正装置(インビザライン)のアイデアを思いつきました。
彼自身も20代前半でワイヤー矯正治療を経験しましたが、その痛みがマウスピース型矯正装置(インビザライン)の開発のモチベーションとなりました。

常識にとらわれない思考

「彼は、矯正治療後に使用していた透明なプラスティック製のリテーナーを口の中に入れたときに、歯がわずかに動くことに気づきました。リテーナーを段階的に使用することで、歯の移動が達成できるのではないかと推測しました。

実はこのような考え方は歯科矯正学にはすでに存在しており、アメリカの矯正歯科医ジョン・シェリダン(John Sheridan)は1993年から1996年にかけてESSIXと呼ばれる独自のマウスピースシステムを開発しました。しかし、この方法では歯型を採取し、装置は歯科医師と歯科技工士の手作業で作られていました。このため、1、2か月ごとに歯の型を取って装置を作り直す必要があり、部分的な歯の移動しかできませんでした。

アラインテクノロジー社が目指したのは、それらの作業を全てコンピュータで行うこと、そして製造には3Dプリンタの技術を応用することです。そして資金をあつめてベンチャー企業として出発しました。2000年代にはアメリカ国内で、歯科治療としては空前の広告を展開して知名度を上げたそうです。ちなみに、3Dプリンタは1980年に日本人の小玉秀男さんが開発した装置だそうです。

ジア・チシュティは、ケルシー・ワースを誘い、さらにスタンフォード大学の学生仲間と協力してマウスピース型矯正装置(インビザライン)を開発しました。創業者たちの誰も歯科の知識のバックグラウンドを持っていませんでした。彼らは15件の特許を登録し、1998年にアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得ました。最初のマウスピース型矯正装置(インビザライン)は1999年にアメリカ国内で販売されました。

しかし、ジア・チシュティは、2003年にはアラインテクノロジー社の会社の株を売却し、会社を去りました。その後AIテクノロジー企業Afiniti(アフニティ社)を創業しました。

アメリカにてアライン・テクノロジー社設立

アメリカ食品医薬品局(FDA)が販売認可

アメリカにてマウスピース型矯正装置(インビザライン)販売開始

アライン・テクノロジー・ジャパン設立

Clincheck 2.0

日本でマウスピース型矯正装置(インビザライン)販売開始

Clincheck 2.5

Clincheck 2.9
Invisalign G3

Invisalign G4
ClinCheck 3.1
ビベラ・リテーナー
マウスピース型矯正装置(インビザライン)導入コース受講(当院)

コンプライアンス・インジケータ
Invisalign G4 plus(新素材「SmartTrack」)
iTero2.9がアメリカで発売

Invisalign G5
iTero2.9が日本で発売(当院で導入)

Invisalign G6
ClinCheck Pro(3Dコントロールが可能)

Invisalign G7
ClinCheck Pro 5.0

iTeroエレメントが発売(当院で導入)
ClinCheck Pro 5.2

ClinCheck Pro 5.3

Invisalign First(小児用インビザライン)

Invisalign G8
横浜トレーニングセンターが開設
ClinCheck Pro 6.0(クラウドソフト)

iTeroエレメント5D

ClinCheck Pro 6.0(ライプアップデート)
クリンチェック治療計画にCBCTを統合可能

  • マウスピース型矯正装置できれいに治りますか?

    当院が考える治療のゴールとクオリティは、ワイヤー矯正(エッジワイズ装置)と同じです。
    このクオリティが得られるように治療を行います。
    特に患者様が気になる、インサイザーディスプレイ(Incisor Display)といわれる前歯の見え方や、咬み合わせを重視して診療を行なっています。当院では常に治療の質を重視しており、時には仕上げに数ヶ月のワイヤー矯正を行うこともあります。
    このワイヤー矯正に追加費用はかかりません。

    Q
  • マウスピース型矯正装置はどこで治療しても同じですか?

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)はどこで治療をしても同じではありません。

    治療するクリニックやドクターにより全く変わります。
    インビザライン社は単なる製造メーカーのため、歯科医に診断や治療計画を提供するものではありません。
    治療計画を考えるのは歯科医です。歯科医はインビザライン社のコンピュータ技術者に治療目標とそこに至るプロセスを伝え、患者様ごとに治療計画(クリンチェック)を作成します。
    設計図を作るのはあくまで歯科医です。コンピュータ技術者は歯科医ではありません。
    治療結果には歯科医の技術と経験が反映されます。

    治療計画(クリンチェック)では、以下のような検討が必要です。
    これらは矯正歯科医の研鑽と経験に基づくものです。

    • ① 前歯の位置はどこにするか?
    • ② そのためには歯並びを広げるのか、奥歯を後退させるのか、抜歯するのか?
    • ③ 歯の動かす順番はどうするのか?
    • ④ エラスティックなどの補助装置を使うのか?
    • ⑤ 治療の誤差を考えて多めに移動するのか?

    当院は毎年80人以上のマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を開始しています。
    当院では、ほぼあらゆる種類の歯並びにマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療は対応可能で、治療のクオリティもワイヤー矯正と同等です。

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)は複雑なワイヤー調整を学ぶ必要がないため、一般歯科医からも注目を集めています。
    一般の歯科医はマウスピース型矯正装置(インビザライン)で歯を動かす方法を学べるかもしれませんが、予期せぬ移動が起きた場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン)のみでは回復ができない可能性があります。
    例えば、マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療中に予期せぬ歯の傾きが生じた場合、奥歯が30度以上前方に傾いてしまった場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけでは正しい位置に動かすことができません。
    このような場合は、ワイヤー矯正と併用する必要があります。ワイヤー矯正でリカバリーできるのは矯正歯科医の大きな強みです。また、矯正歯科医はこれまで数千人の患者を治療することで得た経験を、マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療にも生かしています。

    当院では治療計画をつくる歯科医と治療する歯科医が同一です。
    複数の歯科医師がいる歯科医院や、分院がある歯科医院では、治療計画(クリンチェック)を作成する歯科医師と矯正治療を行う歯科医師が異なる場合があります。当院では治療を行う院長自らが治療計画(クリンチェック)を作成します。

    Q
  • 他院ではマウスピース型矯正装置では治らないと言われましたが?

    当院では、ほとんどの症例がマウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療可能です。
    初診相談の際に患者様から、「他院ではマウスピース矯正では治らないと言われた」と聞くことがあります。
    また「自分の歯はデコボコが強いのでマウスピースでは矯正できないだろう」という偏見を持っている人もいます。
    マウスピース矯正(インビザライン)は歯科医によって治療できる内容が大きく変わります。

    当院では、2015年からはマウスピース型矯正装置での治療を行っております。
    現在では、治療をお断りすることはほとんどありません。
    また従来の矯正治療では、手術を併用した外科矯正が必要だった患者様も、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療が可能な場合があります。マウスピース型矯正装置(インビザライン)にはとくに矯正歯科医の技術に左右されるのです。

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)の導入自体は比較的簡単で、矯正歯科向けのセミナーは2日間、一般歯科向けのセミナーは半日受講したら、マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を開始することができます。
    しかし、そこからさらに勉強して経験を積むのはその歯科医師次第です。
    治療を簡単なケースに限定したり、セミナーには参加したものの、実際には治療を行っていない歯科医師も少なくありません。

    Q
  • 治療が終わるまでの通院頻度、治療期間、適用年齢は?

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)の種類と治療期間

    部分的にデコボコを治す場合など、1年かからずに治療が終わることもあります。中等度の場合でも抜歯を回避すれば1年6ヶ月~2年程度で改善することが多いです。重度の場合は抜歯が必要になる場合があり、2~4年かかる場合もあります。
    ご自身の歯並びの状態によって治療期間は大きく変わってきますので、まずは初診相談でどのくらいの治療期間が必要かを確認すると良いでしょう。

    下表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。

    歯並びの症状の程度 歯並びの状態 治療期間の目安 当院の治療プラン
    軽度
    ごくわずかなデコボコ
    ごくわずかなデコボコ
    6ヶ月〜1年 インサイザー(C)
    ※部分矯正治療
    中等度
    中等度のデコボコ
    中等度のデコボコ
    1年半〜2年 プリモラー(P)
    プリモラープラス(PP)
    4mm程度上の歯がでている
    4mm程度上の歯がでている
    重度
    重度のデコボコ
    重度のデコボコ
    2年〜4年 コンプリート(C)
    コンプリートプラス(CP)
    上の歯がでている
    上の歯がでている
    下の歯がでている
    下の歯がでている
    前歯の噛み合わせが深い
    前歯の噛み合わせが深い
    前歯が噛み合っていない(開咬)
    前歯が噛み合っていない(開咬)

    通院頻度

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療で、1ヶ月半〜3ヶ月ごとの通院が標準です。
    留学中や遠方から通院の方は、6ヶ月〜1年ごとの通院で治療を進める場合もあります。
    装置の宅配便配送を行うことも可能です。当院には、都外などの遠方からの方も多く通院されています。

    適用年齢

    A. 小学生の治療

    小学校入学後(6〜7歳)から開始可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

    B. 中高生の治療

    おとなのマウスピース矯正(インビザライン)は、永久歯が生え変わった中学生・高校生から始められます。
    中学生以から治療を行うことで、永久歯を抜かずに矯正治療ができる可能性が高まります。
    矯正治療において、歯を並べるためのスペースの確保が難しい場合、中間の歯(小臼歯)を2~4本抜歯する必要がある場合があります。骨が未熟なこの時期に矯正治療を始めることで、あごを広げたり、奥歯を後退させたりしやすくなり、歯を抜かずに矯正治療ができる可能性が高まります。

    C. 成人後の治療

    成人になってからの矯正治療は、歯周組織(歯を支える役割を持つ歯の周りの歯ぐきや骨)が健康であれば、年齢制限はありません。60歳、70歳以上の方でも治療は可能です。

    むし歯や歯周病があるときは矯正治療が可能ですか?

    初診相談のタイミング、親知らず抜歯、むし歯治療の前か後か?

    Q
  • より早く治療を終える方法はありますか?

    ❶ 補助装置を使う

    • ディスタライザーを使用する
    • 急速拡大装置を使用する

    ❷ 加速矯正装置を使う

    加速矯正装置使用すると、治療期間が6ヶ月〜1年程度短縮することが可能な場合があります。

    ❸ ワイヤー矯正で仕上げる方法

    仕上げにワイヤー矯正を3ヶ月〜6ヶ月行うことで、治療期間を6ヶ月〜1年短縮することが可能な場合があります。

    早く治療を終了するにはこちらも大切です

    • できるだけ毎日22時間着用する
    • スケジュール通りに正しく交換する
    • 装置のフィットを確認し毎日チューイを行う。
    • 歯を清潔に保つ
    • 装置が合わないときは歯科医院に連絡する
    Q
  • マウスピース型矯正装置は抜歯を回避できますか?

    非抜歯が良い治療で、抜歯が悪い治療ということではなく、患者様それぞれのお口の状況に応じて、どの治療が最適であるかを診断させていただいています。
    しかし、いろいろな説明を聞いていても、できるだけ抜歯は避けたい、できればIPR(歯と歯の間を削る処置)も避けたいという思いには強く共感します。

    マウスピース矯正(インビザライン)は、基本的に非抜歯矯正治療に適した装置です。
    治療前に複数の治療プラン(クリンチェック)を作成し比較検討しますが、ワイヤー矯正よりも非抜歯プランの方が計画を立てやすく、非抜歯プランが選択されることが多いです。
    しかしスペース確保が難しいケースでは奥歯を3mm以上後方に移動させる必要があり、これは患者様の装置の使用時間に大きく左右され、治療結果は不確実になります。
    このようなケースでは、GMD装置(ディスタライザー)を使用して、スペースを確保した後に、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療を仕上げることも行なっています。

    他院で「抜歯しないと治らない」と言われた方でも、当院では非抜歯矯正が可能な場合があります。
    また患者様の状況によっては、IPR(歯と歯の間を削る処置)も避けることも可能な場合があります。

    Q
  • マウスピース型矯正装置は抜歯治療に対応できますか?

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)が開発される以前からマウスピース矯正装置はありましたが、わずかなデコボコや、すき間を閉じることしかできませんでした。コンピュータの技術を応用したマウスピース型矯正装置(インビザライン)は画期的な装置でしたが、初期では従来と同様に歯を抜かない治療にのみに対応していました。

    しかし、矯正歯科医が少しずつ治療経験を増やしていき、マウスピース型矯正装置(インビザライン)社も改良を加えることで、近年は抜歯治療にも十分に対応するようになりました。特に2015年のInvisalign G6の改良以降では、永久歯の抜歯治療がかなりスムースになりました。

    当院でも2013年の導入時より、抜歯治療は行なっていましたが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療経験が増えるにつれて、抜歯治療へのハードルが少なくなってきました。
    現在では優れた治療計画を作ることで、ワイヤー矯正治療での抜歯治療よりも、むしろマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療での抜歯治療の方が、簡単になってきています。

    抜歯をするかどうかどうやって決めるのか?

    叢生(デコボコ)が多く、口元が出ていてE-lineの改善が必要なケースでは、抜歯が必要になる場合が多いです。
    しかし、実際には複数の治療計画(クリンチェック)をつくって、歯を動かし始める前に治療を疑似体験できますのでご安心下さい。

    叢生(デコボコ)が多いと抜歯の必要性が高まります
    口元が出ていると抜歯の必要性が高まります

    下表は画面に収まらない場合、左右にスライドしてご覧いただけます。

    デコボコが少ない
    デコボコが中等度
    デコボコが多い
    口元が下がっている
    非抜歯 非抜歯 非抜歯または抜歯
    口元が普通
    非抜歯 非抜歯または抜歯 抜歯
    口元が出ている
    非抜歯または抜歯 抜歯
    ※E-lineの改善を希望しない場合は、非抜歯でも可能なときがある
    抜歯

    まずは非抜歯治療の可能性の検討です。歯並びの拡大、IPR(歯と歯の間を削る処置)、奥歯の後方への移動、前歯の前方移動、必要があれば奥歯を後方に移動する固定装置(ディスタライザー)を併用することも検討します。
    次に抜歯の場合では、どのようにプロセスと結果が変わるかを観察します。クリンチェックは非常に強力なツールで、しばしば矯正医の予測を良い意味で裏切ってくれます。そして最終的にはどの治療計画が患者様に最適か考えて、最も良い治療計画を選択します。
    抜歯症例は、いわゆる教科書通り行かない可能性もありますが、経験を積んだスムースな治療計画は、ノーストレスの治療になることもよくあります。特に抜歯治療で口元が下がったケースは、患者様の満足度の高い結果になります。

    Q
  • 治療途中でワイヤー矯正に変更できますか?

    治療途中でワイヤー矯正に変更することは可能です。
    マウスピース型矯正装置(インビザライン)治療では、毎日20時間以上のマウスピースの装着やチューイの噛みしめが必要です。
    しかし残念なことに、さまざまな理由で装着する時間が短くなる人もいます。
    当院では、そのような患者様に対してもあきらめずに、何度かプランを変更し短い装着時間でも治療継続ができるように治療計画を作り直します。今までで最も使用時間が短かった方は、夜間就寝時のみしか装置を使えない状態でしたが、無理のない治療プランに変更することで、最終的にマウスピース型矯正装置(インビザライン)治療を完了することができました。

    しかし、それでもうまく移動しないケースでは、従来のワイヤー矯正治療に切り替えることが可能です。
    マウスピース矯正(インビザライン)である程度治療が進み、ワイヤーの装着期間が6ヶ月以内であれば追加の費用がかかりません。ワイヤー矯正治療が6ヶ月以上必要な場合、追加費用が発生することがあります。

    Q

マウスピース型矯正装置とワイヤー矯正の比較

これから矯正治療を始めたいと考えている方にとって、マウスピース型矯正装置(インビザライン)とワイヤー矯正のどちらを選択するかは難しい選択だと思います。
どちらが良いかは患者様の歯並びの状態によって異なりますので、必ずしもマウスピース型矯正装置(インビザライン)が最良の選択であるとは限りません。
またワイヤー矯正の方が常に早く治療できて、きれいに治るわけでもありません。
最終的な決定には経験豊富な矯正歯科医のアドバイスが不可欠ですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)とワイヤー矯正の長所と短所を説明し、患者様の意思決定に役立つ情報を提供したいと思います。

  • メリット1 目立たない

    成人や思春期の10代の患者様にとって最大のメリットは、装置がほとんど目立たないことです。マウスピース型矯正装置(インビザライン)なら、「矯正治療始めましたね!」と言われる心配もありません。写真に写る自分の笑顔について心配する必要もありません。

  • メリット2 今まで通り食事を楽しめる

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)は毎日少なくとも20~22時間着用する必要があります。ただし、食事中はマウスピース型矯正装置(インビザライン)を外すことができます。ワイヤー矯正では硬いものや粘り気のあるものを食べるのが難しくなりますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)なら食べ物を変える必要がありません。

  • メリット3 歯磨きがワイヤー矯正より簡単

    飲食時だけでなく、歯磨きの時にもマウスピース型矯正装置(インビザライン)を外します。歯磨きの方法は今までと何も変わりません。矯正治療中にむし歯や歯周病・歯肉炎になるリスクもワイヤー矯正に比べると少ないです。

  • メリット4 矯正歯科への通院が少ない

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)では、矯正歯科医の仕事の多くは、装置を装着する前にコンピュータ上で行われます。患者様は数十枚のマウスピースを受け取ったら、6週間〜3か月ごとに通院して経過を確認します。ワイヤー矯正の毎月の通院よりも、はるかに少なくて済みます。また歯がスムーズに動いていれば、簡単なチェックだけで治療は完了します。
    遠方に転居されても、年に数回通院していただければ治療を継続できます。数カ月~数年の海外留学でも治療を進めることは可能です。過去には留学のため、年に1回程度の通院で治療を継続した方もいらっしゃいました。

  • メリット5 快適な装着感

    マウスピース型矯正装置(インビザライン)は多少の不快感や痛みを伴う場合がありますが、その程度はかなり小さいです。またワイヤー矯正とは異なり、お口の中の粘膜が傷ついて、口内炎になることも少ないです。スポーツなどでお口の周りを強打してもお口の中が傷つくことがありません。管楽器の演奏する場合も、演奏中に装置を外す必要がありません。今まで通り演奏を楽しむことができます。
    マウスピース型矯正装置(インビザライン)がアレルギー反応を引き起こすことはほとんどありません。弱い力で移動するので、歯根吸収という歯へのダメージがおきるリスクも非常に少ないです。

  • デメリット1 毎日20時間以上の装着やチューイの咬みしめが必要

    マウスピースを取り外せることは、長所でもあり短所でもあります。最低20時間以上の装着期間が守れないと、良い結果が得られない可能性があります。またチューイという円筒形の柔らかいプラスチック材料を、上下の歯の間に挟んで毎日10分ほど咬みしめる作業が必要です。

  • デメリット2 マウスピースの着脱や歯磨きが面倒なときがあります

    水やお茶以外のものを飲食する前には、マウスピースを外してください。マウスピースを元に戻すときは、食べかすが詰まらないように、歯を磨くか、水またはお茶で「お口をゆすぐ」必要があります。

  • デメリット3 症状によっては苦手な歯の移動がある

    歯の根が大きい奥歯は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)での平行移動が難しい場合があります。また、治療中に歯のコントロールが上手く行かず奥歯が傾いた場合でも、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけでは30度以上の傾斜を正しい位置に移動させることができません。このような症状がある場合は、ワイヤー矯正との併用が必要です。

マウスピース装着前に歯をきれいにする

マウスピースを装着する前に歯をきれいにしましょう。

マウスピースと歯の間に食べ物が入り込むと、マウスピースの装着が妨げられ、歯が正しく動かなくなります。
また歯垢や汚れがあるとむし歯や歯周病の原因となり、矯正治療の継続が困難になります。

マウスピースを歯にきっちりフィットさせる

また大きめのアタッチメントがついている歯はフィットしにくいので、とくに念入りに力を加えて装着してください。
鏡を見たり歯の側面を手で触れたりして、フィット感を確認してください。マウスピースが合わないときは、マウスピースの端が歯や歯肉から離れて、めくれ上がった感じになっているはずです。

チューイについて

チューイとは?

チューイとは、マウスピースを歯にしっかり装着させるためのシリコンゴムのことです。主に次のような時にチューイを使用します。

  • 初めてマウスピースを使用する時
  • 新しいマウスピースに交換する時
  • うまくフィットしていない歯の部分に気づいた時
チューイの使い方
  1. ① マウスピースを装着後、チューイをお口に入れて5〜10秒間リズミカルに咬みしめます。
  2. ② チューイを少し移動させ、再び5〜10秒間リズミカルに咬みしめます。
  3. ③ すべての歯がチューイを咬みしめるよう、一番奥の歯から順番に移動させます。

※5分間を1セットとし、1日2回行います。時間が無い場合は1日1回20分程度でも大丈夫です。

※歯が動き、マウスピース型矯正装置(インビザライン)がフィットするまでには約3日かかりますので、その間は頑張って咬みしめてください。

※特に痛みやきつさを感じる歯には、集中的にチューイを使用します。

※装置がぴったりフィットしたら、翌日以降はチューイの使用を終了しても構いません。

完全にフィットしていない場合は次の段階のマウスピースに変更しない

新しいマウスピースに変更する場合は、下記4点を確認してください。
ひとつでも問題がある場合は、次のマウスピースに変更しません。

  • ① 現在のマウスピースで痛みがない
  • ② 歯に強い圧力を感じない
  • ③ 鏡で見てフィットが良い
  • ④ 手でマウスピースを触って、きちんとフィットしている(めくれあがっている部分がない)

完全にフィットしていないと感じるときは、その場所を中心にフィットが良くなるまで、毎日10分以上チューイを使用してください。スケジュール表からずれても、きちんとフィットするまで、現在のマウスピースの装着を継続してください。

※フィットが良いというだけで、スケジュール表を無視しないでください。(例:1週間交換の予定を5日交換にする等)

※治療計画によっては、毎日20時間使用してチューイを噛んでも、どうしてもフィットしない箇所が出る場合があります。
特に抜歯治療や、装置の枚数を50枚以上使用している場合などは、その可能性が高いです。そのような時は、医院にご相談ください。

マウスピースを咬みしめない

チューイを使用しないでマウスピースを咬みしめないでください。

マウスピースを咬みしめる癖があると、矯正治療に様々な影響が出ます。
例えば、咬み合わせが深くなる、前歯の凸凹が出やすい、矯正治療中に歯が動きにくい。またひどい場合は歯の慢性的な痛みが出たり、歯周病の悪化の原因になったりします。

ただし、前歯にバイトランプが設置してある場合は例外です。
チューイを使わずに、毎日10分程バイトランプのある前歯だけを咬みしめるのは問題ありません。この場合はバイトランプの作用で、前歯のみが接触するように設計されています。

※通常、私たちは何もしていない時は、上下の歯は接触しておらず、会話や食事やだ液を飲み込むときのみ接触するだけです。

接触している時間は、1日わずか17分程度と言われています。
人は口を閉じていても、上下の歯の間には2~3mmの隙間があり、咬みしめる動作はしないのが普通です。

エラスティック(顎間ゴム)を使用する

歯科医の指示通りエラスティックを使用してください。

特に奥歯を後方に移動している人は、エスティックの使用時間が短いと、計画通りに歯が動きません。

エラスティックのイラスト

定期的に通院をする

装置を最後までお渡ししている場合でも、定期的な通院は不可欠です。

予定通り歯が移動しないリスクがあるので、歯科医師が歯の移動状況を定期的にチェックする必要があります。
3ヶ月以上長期に通院できない場合は必ず医院までご相談ください。

マウスピースが使用できなかった時は、歯科医に相談する

様々な事情でマウスピースが使用できない時は、歯科医にご相談ください。

各ケース別の対処方法をご紹介いたしますので、歯科医へご相談の前に一度ご確認ください。

  • ① 毎日20時間使えない場合

    長期に使用時間が短い状態が続くと、歯をマウスピースの間にすき間が生じて、徐々にマウスピースが合わなくなります。また一見フィットしているように思えても、時間が短い場合は大切な部分の移動がうまくできていない場合があります。

    最も効果的なのは、装着時間を長くする方法です。
    どうしても時間が伸ばせない人は、治療計画に変更することで、短い使用時間で治療を継続できる場合もあります。詳しくは歯科医にご相談ください。

  • ② 使用時間が短い期間がある場合

    体調不良などで、例えば日中は使えないなどの場合は、できるだけ夜間就寝時の8時間程度は使用するようにしてください。

    8時間しか使用できない期間は、番号を進めずに同じ番号を使い続けてください。

  • ③ 数日間全く使用できなかった場合

    ご病気等で、数日間全く使用できなかった場合は、歯は前のマウスピースの状態に戻る可能性があります。例えば現在8枚目のマウスピースを使用している場合は、8枚目ではなく7枚目、6枚目などを試してください。

    若い番号の方が違和感が少ないようでしたら、まずは古い装置に戻してください。その後当院に来院して必ず歯科医の指示を受けてください。なお、ご来院の際には1枚目からご使用した全ての装置をご持参ください。

  • ④ マウスピースが破損、紛失した場合

    現在お使いのマウスピースが破損または紛失した場合は、次の番号に進んでください。
    数日間は念入りにチューイを使用し、少なくとも毎日 22 時間マウスピースを装着してください。装着日数も通常の2倍を目安に、例えば7日おきの交換の場合は14日程度使用するようにしてください。次の番号からは通常の使用期間に戻ります。